やすらぎの川、みどりの丘

新潟県出身で北海道在住。自由な日々を求めて、毎日を生きる。妬まぬように、焦らぬように。

センス・オブ・ワンダーを持って、世界を散歩する。

沈黙の春』の著書でよく知られるレイチェル・カーソンは、その瑞々しい感性をもって自然を見続け、農薬が及ぼす環境への問題を鋭く指摘した。彼女は56歳の若さにして癌で亡くなってしまうのだが、その最期のときに書いていた本が『センス・オブ・ワンダー』である。この本は、彼女の息子ロジャーに向けて書かれている。

残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄み切った洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直観力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。もしもわたしが、すべての子どもたちに話しかける力を持っているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。
(『センス・オブ・ワンダーレイチェル・カーソン)


至言である。センス・オブ・ワンダーとは、つまるところ、世界を楽しみ尽くす力のことだ。空を見上げる、草木に目を凝らす、鳥の鳴き声を聞く、そこから大自然の面白みを感じる。そうしたならば、世界はどれだけ魅力的なものになるだろうか。

世界は面白い。僕はその面白さの100万分の1も分かっていないだろうけれど、それでも余りあるくらいに世界は面白みに溢れている。しかし、それに気付くか気付かないかは、その人次第なのだ。少しばかりの自我と教養を仲間にしよう。そして、消えないセンス・オブ・ワンダーを持って、世界を散歩しよう。

最後に、尊敬するもう一人の女性の言葉を紹介してこの記事を締めくくろうと思う。彼女もまた、この世界を楽しみ尽くしていただろうから。

私のような大学も出ていない年をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ人生と世界は単純になっていく。だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい。(ココ・シャネル)