やすらぎの川、みどりの丘

新潟県出身で北海道在住。自由な日々を求めて、毎日を生きる。妬まぬように、焦らぬように。

高く飛べなくなったバッタの話。

高く飛べなくなったバッタの話をご存じだろうか。あるバッタはもともと2メートルの高さまで飛ぶことができる。ここで、このバッタを捕まえてケースに閉じ込め、天井に透明なアクリルの蓋をしてみよう。ポイントは、この天井を高さ50センチメートルのところに設置することだ。閉じ込められたバッタは、最初は天井の透明な蓋に気付かず、ジャンプをしては何度か頭をぶつける。そうしているうちにバッタは学習し、頭をぶつけることのない、50センチメートル未満のジャンプしかしなくなる。

さあ、天井の透明な蓋を外してみよう。バッタはもう一度、本来の2メートルのジャンプをするだろうか。いや、そうではない。この学習したバッタは、もう自分の本来の跳躍力を取り戻さない。透明な蓋なんてないことにすら気付かずに、残りの一生を終えるのである。実は、この話はバッタだけに限らない。このようにポテンシャルを活かしきれていないのは、いま目の前にいるあなたも同じであるかもしれない。あなたの人生にも、かつて頭をぶつけた経験があり、本来の頑張りをできていない可能性があるのではないか、ということだ。

実は、50センチメートルまでしか飛べなくなってしまったバッタも、また2メートルの高さまで飛べるように戻すための方法がある。それは、2メートル飛ぶことのできるバッタを近くに入れて、実際に見せてやる事だ。そうすると、例のバッタは「俺にもできる!」と言わんばかりに、また高く高く飛ぶようになるのだ。これを人間に当てはめるなら、自分の限界を超えたように見える努力している人を知るべきだ、ということになるだろう。そしてそれは、例えば本からでも学べる。あなたの周りに努力家は多くないかも知れないが、本を覗けば、たくさんの立派な跳躍が見られることだろう。偉大な功績を上げた人物は、自伝が出版されていることが多い(例として、孫正義さんのものをオススメする)。彼らはまさしく2メートル飛んだバッタだ。彼らの背中を追いかけ、いつもより高く飛んでみようではないか。

最初にあったのは夢と根拠のない自信だけ
孫正義 / ソフトバンクグループ代表取締役会長兼社長)