やすらぎの川、みどりの丘

新潟県出身で北海道在住。自由な日々を求めて、毎日を生きる。妬まぬように、焦らぬように。

あなたに夢はあるだろうか

飲み会の場では、よく就活についての相談を受ける。相談内容は「どんな会社を目指すべきか」というありふれたものである。

多くの人はなんと回答するだろうか。昨年に流行ったビジネス書の「LIFE SHIFT」を引用して、時代は変わったから僕たちは大企業を目指すだけではいけないと言う人もいるだろう。はたまたYouTubeの広告にもなった「好きなことで、生きていく」、そんなライフスタイルを目指せと言うだろう。もしくは、高城剛橘玲に憧れて、海外を転々とするのもいいんじゃないかと言うかもしれない。

僕は、これらの回答のどれもが素晴らしいと思う。どれもが素晴らしいと思うが、何かが欠けているように感じる。その何かとは「夢はあるか」という視点だ。

まあ、全くない訳じゃない。でも、それは非常にぼんやりしたもので、うまく言葉にするにはまだ早い、そんな人が多いと思うのだ。こういった場面では、僕はいつも、不思議の国のアリスを引用して話を進める。チェシャ猫というキャラクターの言葉が、僕の言いたいことを代弁してくれるからだ。

アリス「道を聞いてもいい?」
チェシャ猫「どこに行きたいの?」
アリス「それが良くわからないの」
チェシャ猫「なら、どうだっていいよ。どこに行きたいか分からないなら、どの道を選んでも辿り着くんだから」

そう。目的がないなら、何をしようが一緒なのだ。野心はない、人生の目標もない、やりたいこともまだよく分からない、そんな人がいたとして、家でYouTubeを見るだけの日常に何を助言できるだろうか。チェシャ猫はどこかに「辿り着く」というが、僕は、どこにも辿り着くことはないと思う。別に、そんな人生を否定しているわけではない。夢を持ってほしいな、という多少のおせっかいごころがあるだけだ。

たいそうな夢を掲げなくていい。お金持ちになりたい。自由になりたい。家族を持ちたい。もし、そういったぼんやりした夢があるなら、それを具体的に落とし込むだけでいい。お金持ちになりたい、ならば、40歳までに年収が1000万円になる、なんかでいいじゃないか。そのためにはどうすべきか、少しずつ見えてくるだろう。掲げた夢なんて、途中で変わったって良い。とりあえず、夢はこれだと決めてみてほしい。きっと、毎日が少しずつ変わると思う。就活も、まあなんとかなるだろう。